日本国内で生産をし、国内の雇用が増えれば、国全体に好循環が生まれます。

今津
第二の問題は「経済」です。 日本は法人税などの税金が高いし固定資産税も高い。電気代も土地も人件費も「円」も高いという状況で、国際競争力では大変ハンディがある国です。多くの企業が海外に生産拠点を移して、国内の製造業は空洞化して来ました。さらにはユニクロのように、海外生産の低コスト製品を日本国内に持ち込み、低価格衣料を販売するようになって、全国でたくさんの中小小売業の人達が職を失いました。このようなことは、どの分野の産業においても言えることです。
石原
身につまされていますよ。
今津
いま日本の企業、特に大手企業は企業としての使命をどのように考えるかが問われています。トヨタがオーストラリアの工場を閉鎖するようですが、海外の工場を閉鎖して日本に回帰する例が出始めました。これは企業も単に目先の合理性だけでなく、長いスパンの利益を考えるようになってきたからでしょう。円安傾向の背景もあり、日本国内で生産をし、国内の雇用が増えれば、国全体に好循環が生まれます。
石原
はあ
今津
これからの日本は近隣諸国、特に東南アジアのASEANの国々とは共通目標を定めて、日本がそれに協力を惜しまない姿勢が大事になってきています。日本の資金力や頭脳を提供して共存共栄をはかる姿勢です。儲かる分野だけの援助ではなく、利益がないかもしれないけれども日本の得意とする分野で、後進国の方や同志の国々の発展に寄与していく、という責任感や使命感を持って進むべきだと思っています。

<第7回>じゃあどうするか。それでこの問題は解決するのかという気がします。